昔の検食の写真が出てきたので、令和の栄養学を調べてみました
[2026.07.14]
先日、古いスマートフォンの写真を整理していたら、若い頃、当直先の病院で撮影した検食の写真が出てきました。
まだ駆け出しの頃、病棟当直のアルバイトをしていた時期があり、当直医も検食をいただく機会がありました。
(検食とは、患者さんに提供する前に、味や見た目、異物混入がないかなどを確認するための制度です。すべての当直医が毎回食べるわけではありませんが、施設によってはこうした形で確認を行っています。)
今見ると、なかなか味わい深い写真です。
奥にちらっと見える麺類……よく見ると、まさかのラーメンライスです。
当時「検食でラーメンライスが出てきた!」と、ちょっとした驚きだったのを覚えています。
もちろん栄養士さんが考え抜いた献立だったはずですが、
最近筋力トレーニングや健康寿命に興味を持つようになった私は、別のことが気になりました。
「これって、タンパク質は十分だったんだろうか?」
病院食の目的は、昔と今で少し変わっている
昔から病院食は栄養バランスを考えて作られてきました。
ただ、高齢化が進んだ現在では、栄養学の関心も少し変わってきています。
近年よく耳にするのが、
- フレイル
- サルコペニア
- 健康寿命
といった言葉です。
簡単にいえば、
「体重を維持すること」だけでなく、「筋肉を維持すること」が重要視されるようになった
ということです。
今のキーワードは「タンパク質」と「運動」
高齢になると、何もしなくても筋肉は少しずつ減っていきます。
さらに入院すると、
- 活動量が減る
- 食欲が落ちる
- ベッド上で過ごす時間が増える
といった要因が加わります。
そのため最近では、
栄養管理とリハビリを一緒に考える
という発想が重視されるようになってきました。
筋肉を守るためには、
- 適度な運動
- 十分なタンパク質摂取
の両方が必要だからです。
実は、泌尿器科とも無関係ではありません
「筋肉の維持」と聞くと、足腰や体力のイメージが強いかもしれません。
ですが、泌尿器科の立場からもうひとつお伝えしたいことがあります。
膀胱や尿道を支えている骨盤底筋も、れっきとした「筋肉」です。
全身の筋肉量が落ちてくると、骨盤底筋も例外ではなく、尿もれや頻尿といった症状に影響することがあると考えられています。
つまり、「筋肉を守ること」は、将来の排尿トラブルを遠ざけることにもつながる可能性があるのです。
病院の話ではなく、私たち自身の話
これは入院患者さんだけの話ではありません。
私たちの日常生活でも、
朝はトーストとコーヒーだけ。
昼は麺類だけ。
そんな日が意外とあります。
カロリーは足りていても、タンパク質は不足しているかもしれません。
肉、魚、卵、納豆、豆腐、乳製品。
毎食どこかにタンパク質源を入れることを意識するだけでも違います。
写真を見ながら思ったこと
今回、十数年前の検食の写真を見返してみて感じたのは、
栄養学の関心が
「カロリー」から「筋肉」へ
少しずつ移ってきていることでした。
もちろん、病院食そのものも当時とは変わっているでしょう。
ただ、私たちの家庭の食卓でも、
「今日はタンパク質をちゃんと食べただろうか?」
と時々考えてみる価値はありそうです。
※慢性腎臓病などでタンパク質制限の指示を受けている方は、必ず主治医の指示を優先してください。
体づくりや食事の見直し、また尿もれ・頻尿など排尿に関するご心配がある方は、
診察の際にお気軽にお声がけください。
大阪府池田市の泌尿器科として、こうした生活習慣のご相談も幅広くお受けしています。
